2014/01/15

ミュージカル『愛の唄を歌おう』感想ストーリー編

 1度しか見ていないので記憶の劣化との戦いです。


 思っていたよりわりと(ツッコミ方は浅いけど)いろいろあるストーリーでした。
 
 槇原敬之、宮本亜門、鈴木おさむと、実績実力名声ともに現在日本エンタメ業界(テレビ寄り)でトップを走っている人たちがそろうわけですから、それなりの期待はしますが、しかしジャニーズです、ぐっさんです、吉本です。やれること、やってはいけないこと、やるべきこと。様々な制限が生じてきます。
 しかし制限があるなかでこその、トップクリエイターによる非常に大衆性の高い出し物、というのは、大好きです。

 以下ネタばれありです。


 

 物語は言ってしまえば「それぞれが傷や不安を抱えつつも、みんな愛するものや愛したいというものがあるし、愛して生きていこう」といういかにもそれっぽいものです。そりゃそういうタイトルですからね。しかしその「それぞれ抱えているもの」が、「え、そういうのジャニーズOKなんだ」と正直思いました。どんだけジャニ舞台なめてんのか?、と言われそうですが、いや、だって見たことないし、東京ではフジ系列のテレビ局主催のだし…、もっとたいした話じゃねぇのかなと思っていたところもあったのです。宝塚ほど基本は華やかで美しくて究極に負の印象をそぎ落としている、かと思っていました(これもやや偏見だが)。かといってものすごく観客に問いかけをするわけでもないですが。

 意外だったのは、「主人公の出番が割と少ない」です。え、それは川畑要ばっかりをみているから?。いやいや普通は、好きな人ばっかり見ていたら、もっとでてくれたらいいのにー、と思いますよね。
 今回のこのお話は、ラブストーリーと過去の事件の謎解きの二本立て、平行して進んでいます。主人公は二人とも、ラブストーリーを描く方にでてしまって、事件の流れにはあまりでてこないのです。そりゃ当然、マッキーが何も知らずに、それでも生徒を信じてかばったから、知らないところで起きているのは当然なのですが。

 事件のほうは、カズトシは最初は、言うなれば、味方か敵かわからないような言動や振る舞いをするように描写されています。マサムネに対して敵意があるのか、怪しくつきまとう魔女のような。なのでマサムネは、愛する妻と暮らしつつも、苦悩し、逃げています。だから要さんの役はめちゃくちゃ美味しいです。

 主人公たちの話の流れは、前半はぐっさん多めで、後半は北山くんのターン!、となります。物語としてもぐっさんは牢屋に閉じ込められてしまうし。北山くん演じるヒロトは、マッキーの命日に黙って事故現場へいった恋人をなじり、不審を抱き、苦悩しますが、やがて勇気をもって、愛の唄を歌います。そして最後は…。

 この展開は単純と言えば単純ですが、ミュージカルなら、舞台ならば王道です。だから社長が励ますシーンも、手紙からラストの唄のシーンも、もりあがって駆け抜けていく感は良かったです。多幸感がばばばばーんと押し寄せます。

 でも、北山くんの見せ場、案外少ないんだなぁ、と思いました。主人公の宿命なのかもしれませんし、現代劇なのでそこまでかっこよく、ビシィ!、とポーズ決める場面があるはずはないんですけども。歌も前半のぐっさんに比べると、少ないかな?。存在感がかすむようなことはないんですが、私がファンだったら、とってもとっても素敵だったけどもう少しだけ!、とか心の狭いこと言いそうです。

 しかし、「見せ場を作るために話がおかしい」なことをしなかったのは良かったです。正義感はあるけどちょっと優柔不断で特別じゃなくて平々凡々な青年が、ちゃんと主人公になるなんて。

 最後にやはり書いておこう。
 気持ちがあってお金を融通する、という話は、「えぇーーー!! そういうのOKなの?。いいの??」と妄想炸裂で挙動不審になりました。さぁ誰かその詳細なシーンを漫画やイラストに書いてくれないかな?。渋谷のヒカリエで吉本ジャニーズ主演の舞台見ながら、残酷で嘆美なエピソードを妄想するとは夢にも思いませんでしたよ。

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  1時間と決めたら意外と長くて左親指が痛くなる。よろしくない。