『しあわせのパン』の美しさともにょさ
それっぽいカフェの壁に貼ってあった宣伝ポスターで、それっぽい映画だろうなと思いつつも、大泉さんや知世ちゃんなので気になっていた映画が、Huluにきていたので、時間の都合で分割して観ました。 前半観たときは、予想以上に癒し度高くておもしろい、と思いましたが、後半続きをみたら、こちらの心理状況がずいぶんかわっていたのか、そこまででもありませんでした。うっかり撮影地になった(モデル?)らしいカフェの情報を見てしまったからかもしれません。世知辛いです。 映像はとても美しく、夢見心地でステキです。夢のような光景だけど、夢じゃないところが北海道の凄いところです。 でも、どうして心の傷をかかえたような状態だったのか、夫婦なのにどうしてまだマーニじゃなかったのか、そこらへんひっかかります。結婚したからといって最初から出来の良い夫婦なわけではなく、変化していくことはわかりますが、それは、もっといろんな出来事や時間が重なっていつのまにかだと思うので、この映画はそれを納得させるだけのストーリー展開や脚本ではなかったのかもしれません。なにせこの夫婦はけっこう年がいっている。その前に横たわる歳月の長さを考えると…。2年間でそれだけの変化を起こさせる力があの自然の世界にはあるかもしれませんが、私にはそこまで伝わってきませんでした。 近頃、音楽やドラマなど、数字が獲れなくなってる業界が増えていますが、それは突き詰めると、作詞や脚本など、言葉に関する力が低下しているせいではないかと、漠然と思っています。映像も役者さんもとても良い。一つ一つのシーンや一つの台詞は、とても良いです。でも、それらが積み重なって結果としてできるものが、力が弱いような気がします。心を動かされるか、その瞬間でも熱中できるか、というと、振れ幅も時間の長さも短く小さいです。 エンタメ性と質の両立が、いまの日本では非常に切実な問題となっています。この映画も、かなりクオリティの高いほうではありますが、これぐらいの「良い」感じの、映像や音楽や小説は、わりとそこそこあって、あるんだけど、何かこう、届くものがちょっと弱いです。 日本の役者さんというのは、「学ぶ場所や過程がない」「コンテンツが弱い」という非常な逆境のわりに、驚異的に質が高いと思います。この映画も原田知世の存在感がすごいし、それをよく見せて...