オカルト系な話でありますので、いまだと『夏目友人帳』(緑川ゆき)が人気爆発です。『百鬼夜行抄』(今市子)も人気がずっとあります。少女漫画での現在の2大巨頭と比べて魔法使いの娘の何が違うかというと、「主人公が女子」ということです。
主人公の初音は、開始当初は女子高生です。訳あって家事に追われる、生活感あふれるたくましい女子です。時間が経過して行くにつれ、学校を卒業し、あーなってこーなっていくわけですが、そこらへんの生活感の描写が、この漫画の魅力の大きな魅力の一つです。「非ず」になってそこらへんの描写が減っているのですが、におわせる程度になっているのがまた逆に気になる。だっていつのまにかあーしてこーしているんだもん。
ごく普通の生活のなかに、非日常の要素がいつのまにかまぎれこみ、という話が私は好きなのですが、その混ざり具合や程度は作品により違いがあります。百鬼夜行抄はふるいものや嘆美な気配があり、夏目は自然がとても豊かに描写されるのが特徴的です。魔法使いの娘は、この住宅街、街、オフィス街など、とても現代的な雰囲気の中に、その合間や隙間、あるいは常に表裏一体となって、生きていない人たちや人外の存在を、生きている普通の人とともに描いています。普通の人は誰しもそれなりに後ろめたいところがある、おかしいところがあることも、さりげなく伝えてきますし、そこが怖くて同時におかしみになります。
自分の生活にない佇まいや自然は魅力的で心惹かれますが、日常の中に垣間見る非日常、というのも、たまらなく好奇心を刺激されます。那州雪絵さんはもっともそういうものを表現するのが上手いし良いと思います。
私は上記3作品を、三大少女陰陽師漫画としたいわけですが、しかし陰陽師漫画といいきるのはどこかもったいない、そうであってそうでない、そういうところが魅力です。
今 市子
朝日新聞出版
朝日新聞出版
那州雪絵さんの初期の代表作であり出世作は『ここはグリーン・ウッド』です。これはいまの若い人でも絶対おもしろいです。(伝説のガラスの仮面の穴埋めで3回短期連載で終わると思いきや)
那州 雪絵
白泉社
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この『フラワー=デストロイヤー』は傑作です。
那州 雪絵
白泉社
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SFアクション少女漫画です。(定期的にこれを推すブログを書いているなぁ)これが大好きだったので、魔法使いの娘がでていたときは、本当にうれしかったです。「帰ってきた…!!」と大感激しました。いまでも新刊が出るたびにうれしくてたまりません。(だってなかなかでないので)
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